週刊心房細動

その病院でオペを受けて大丈夫ですか?

田舎の病院で"アブレーション名医を見分ける"たった1つの方法

どの病院でアブレーション手術を受けるのが良いか。

何も情報収集ができない人にとっては、基本的な考え方は手術件数が多い=良い病院と捉えるしかない。

 

1.実績は大事だが、手術件数が少ない病院が狙い目な理由

しかしその考え方にも問題があり、手術件数が多いからといって名医に治療をしてもらえることは少なかったりする。

実は、地方に住んでいて近くに大学病院も有名な病院もないようなエリアに住んでいても、アブレーションの名医が存在することがよくあるのである。

例えば千葉県房総半島の、決して中心街とは言えないエリアの某病院。

この病院のアブレーション手術件数を見ると、年間たった50件である。

※ちなみに、下画像の通り千葉県では200件300件が主要病院の実績のようである。

【参考:千葉県の手術件数トップ10病院】

https://caloo.jp/dpc/disease/413/12#achievement

 

「たった50件?しかもこんな田舎の病院で手術して大丈夫?」

基本的にはこの考えで問題ないのであるが、実はそんな田舎病院にも名医が存在することが少なくないのである。

それはなぜか。

医者の世界には「出張アブレーション」なるものが存在し、小さく実績もパワーもない病院に月に1回呼ばれて代わりにアブレーションをするということがよくある。

そのため決して手術件数が少ないからといって、「この病院は信頼できないな・・・」とは言い切れないのである。

私は心房細動治療を受けたことがないのでわからないが、もしかしたら外来の時に「良い先生が治療しに来てくれますからね」と言われた人は、この名医による出張アブレーションなのかもしれない。

2.田舎の病院で名医を見分けるたった1つの方法

地方に住んでいると、有名な病院に外来に行くだけでも非常に大変だ。

それでは、もし自宅がある市町村の小さな病院での治療を紹介された場合、まずやるべきことは

「医者の名前をgoogleで検索する」

たったこれだけだ。

 

「それだけ?」と思うかも知れない。

実は小さい病院になるほど、「非常勤」「非常勤医師」という肩書で出張アブレーションに来ていることが非常に多い。

そのため医者の名前をgoogleで検索すると、本来所属している別の大きな病院が引っかかってくるはずだ。

その所属病院がもし有名な病院であれば、あなたは自宅近くの病院に安心してカテーテルアブレーションを受けに行くことができるのである。

 

例えば私が知る範囲の中で、1つ例を出してみる。

こちらの病院では医者の半数が「非常勤」として掲載されており、小さい病院でよく見かける医師不足が推測される。

しかしながらこの中に妙に専門分野について具体的に記述のある医者がいるのがわかるのだが、実はこの先生こそ、このエリアで(全国的にも)カテーテルアブレーションの経験が豊富な先生なのである。

 

不整脈治療のできる医者というのは、全国的に不足している希少な存在なのである。

「こんなに遠方まで出張に来てるの?」という医者も多く、「来週◯◯まで出張なんだよね」とフランクに話してくれる先生の姿がとても印象的だった。

その先生方の協力体制があってこそ、地方にいても良い治療が受けられることには非常に感謝をしたいと感じる。