週刊心房細動

その病院でオペを受けて大丈夫ですか?

町医者は心房細動のことについてよくわかっていない

皆さんは、かかりつけ医がどれくらい信頼に足るとお考えだろうか。

たくさんの医者と関わる仕事をしていると、隣近所の人が教えてくれる

「あの先生は面倒見が良いからおすすめよ」

「あそこの先生は有名みたいよ」

「○○さんも、あのクリニックはいいねって言ってたよ」

という情報は全く信じるに値しない。

特に医療系の分野においては、診察を受ける、処方を受ける、手術を受けるといったあらゆる点において、患者側と病院側に非常に大きな情報の乖離が見られる。食べログのように、「あそこの病院、雰囲気も良くてちゃんと病気も治るしいいよね!」とは絶対にならないのである。

そして誰しも経験があると思うが、「医者はああ言ったけど、本当に病気は治るのだろうか」、「一向に症状が良くならないけど、このまま通院していて良いのだろうか」とふと考える瞬間があり、それは医療のような高度に専門的な世界では、自分の判断が正しいかどうかを確認する手段が全く無いのである。

そう考えるからこそ、専門的な知識を持つ人が周りにいれば、むしろその人の判断を仰いだほうが良いことだってある。

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【荒技】学会に参加して名医を探そう

来週6月8日〜11日に、パシフィコ横浜で大きな不整脈の学会が開催される。

その名も「日本不整脈心電学会学術大会」。

コロナ禍での開催ではあるが、対面で日本全国の医者が集まる久々の学会である。

学会と聞くと、何やら難しいイメージを抱くかもしれないが、中身はこれまで研究してきたものの成果の発表や、珍しい症例の報告をし合うイベントである。

それに対して医者同士が質疑応答をし、よりその発表についての理解を深めていく場である。

大小さまざまな学会と名のつくものが年間を通じて開催されるわけであるが、来週開催されるこの不整脈学会は、一年でもっとも大きな学会の1つなのである。

 

医学系の学会なんて一般人に縁はない、と誰しもが思うかも知れないが、実は参加費さえ支払えば参加できるものも少なくない。

【参加費】

さすがに安くはないが、実はこの学会を利用して名医を探すことができるのである。

 

その方法は、学会の仕組みを考えると容易に想像できるのだが、

「座長には有名な医者が用意されている」という点に注目することである。

 

学会のプログラムの中で、それぞれとあるテーマ(例えば「最新の心房細動治療」のような)に沿ったセッションが設けられており、”座長”というのはそのセッションの司会のような立場の医者である。

 

例えばこちらを見ていただきたい。

プログラム | 第68回日本不整脈心電学会学術集会

 

こちらのリンクに飛んでみると、「心臓構造からみたアブレーション治療」やら「医療イノベーションの推進に向けたPMDAの取組み」やらいろいろなセッションがあるのがわかると思う。

注目するのは”座長”の項目に名前が記載がある医者こそが、日本で多くの不整脈ドクターが知っているような有名な医者なのである。

当然、これまでのブログを見ていただくとわかるように、有名な医者=名医とは限らないので注意が必要だが、これだけ見るだけでも、レジェンドと呼ばれるような医者の名前も見受けられる。

 

と、ここまで読んでわかるように、わざわざ貴重な平日とお金を利用してまでも学会に参加する必要はないのである。

学会の場に参加して医者の発表を聞けば、だいたいどの程度のレベルなのかわかってくるのであるため、私もなるべく今回の学会には参加しようと思っている。

またこのブログで報告したい。

心房細動が再発した時に検討すべきこと

痛い思いをして、多額の費用を支払って、休めない仕事を無理に休んでまでして受けたカテーテル手術。それが1週間、1ヶ月で再発してしまったらどうだろうか。

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【患者は誰も知らない】アブレーション手術の成功は医者の腕だけでは決まらないという話

外科の手術と違って、循環器分野である不整脈のような手術においては、医者の腕だけで手術の成功が決まることばかりではない事実を知っていただきたい。

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【ヤフー知恵袋】勝手に質問に回答してみた

ヤフー知恵袋を利用したことがないという人は、意外と多いと思う。

どんなにくらだらない質問でも、投稿すれば数十分から数時間で誰かから回答をもらえるこのサービスは使ってみて便利だなと思ったことがある(回答される情報の精度は当てにはできないし、よくある質問を投稿すると「ググってから来い」と言われるが)。

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大学病院=良い病院、ではない事実

ドクターXや白い巨塔などドラマの影響などもあり、

「◯◯教授に手術をしていただけるなんて大変恐縮です!!」

のようなセリフがあったように、大学病院で手術を受けられることは大変名誉なことであるなんていうイメージが強く視聴者側(患者側)にはあるのではないかと思う。

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