大学病院=良い病院、ではない事実
ドクターXや白い巨塔などドラマの影響などもあり、
「◯◯教授に手術をしていただけるなんて大変恐縮です!!」
のようなセリフがあったように、大学病院で手術を受けられることは大変名誉なことであるなんていうイメージが強く視聴者側(患者側)にはあるのではないかと思う。
1."教授"という10円にもならない肩書き
どうやら大学病院で教授になるのは非常に困難を極めるようで、教授選に負けたらもうその病院にはいられない、医局内での立場も一気に危うくなり、地方の関連病院に飛ばされたりと、事実上、もはや教授になる道は絶たれるようである。
大門未知子のセリフを借りるとすれば、そんな「プライドやメンツなんて10円にもならない」どうでも良い世界なのである("教授"の名前を振りかざせばたくさんお金は入ってくると思ったりもするのであるが)。
そんな崇高な世界をドラマで見せつけられてしまうと、さぞ大学病院での治療は良いものなのだろうなと勘違いしてしまいそうである。
それではアブレーションの世界において、大学病院での治療を選択は本当におすすめなのだろうか?
2.手術件数から見る大学病院ランキング
いつものようにこちらから引用した手術件数を、大学病院だけにしぼってランキング化してみた。
筑波大学附属病院
こちらは納得の1位だと思う。さらにここの病院の特長は、心室系の不整脈の臨床研究も進んでおり、全国でもっとも有名な病院であることはどの不整脈ドクターも疑わない。
続いて2位3位4位とさすがは東京の大学病院が続くが、正直なところ日本医科大学は治療レベルについてはほとんどイメージがわかない。確かに教授は有名ではあるが、それは学会の理事長というだけで、カテーテルアブレーションがうまいかどうかは全く別の話。
循環器内科が大量辞職と何かと問題な東京女子大であるが、確かに有名な先生はいるが、あえてここで治療を受ける必要はないというのが正直なところ。
東京医科歯科大学に関しては、数年前に有名な先生が異動してきたこともあり、ここは期待できると考えている。
という具合に、全国上位の大学病院だから安心して治療を任せられるとは言い切れないし、ましてやランキングに上ってこない地方大学病院なんて、まだまだあてにならないところが多い。
しかしながらそれも仕方ない一面があり、そもそも大学病院とは教育、研究、臨床を目的とした病院であるため、どこよりもレベルの高い治療をすることは主目的でないからである。
そう考えると、かかりつけのクリニックから大学病院を紹介されたからといって、安心することなく別の病院を再検討する必要も出てくるのである。