週刊心房細動

その病院でオペを受けて大丈夫ですか?

最新の治療は、最良の治療ではない

「先進医療」「最新の技術」と言われると、どうしてもそっちを選択したいのが人間だと思う。

そして特に、ガンに対する治療だとかには非常に有用なのかも知れないイメージがある。

しかしながら、不整脈治療やアブレーションに関しては、必ずしもそうは言えないのが真実なのだ。

 

1.「最新の治療なので良いですよ」と勧める医者は全力で断れ

アブレーションの世界でいま最新の治療「レーザーバルーン」

 

レーザーバルーンとは、日本ライフラインという会社だけが唯一販売している製品である。

HeartLight X3について | HeartLight X3 | 医療従事者向け情報サイト

これによると、心房細動の原因となる肺静脈を内視鏡で確認しながら、狙った場所にレーザーを当てて治療することができると説明がある。

これまで、高周波アブレーション、クライオバルーン、ホットバルーン等様々な治療方法があったが、いま最新なのはこのレーザーバルーンである。

名医こそレーザーバルーンは絶対に選ばない

 

これが現状である。日本のトップ10と言われるような病院で、率先してレーザーバルーンを使用している話など存在しない。

そのため、私自身も熱く語るような内容はないのである。

レーザーバルーンが日本に出たばかりの頃では、地方紙によく「当院で県内初導入!」のような記事が散見されていた。

心房細動に新カテーテル治療 聖隷浜松病院が静岡県内初導入 (2019/6/18 07:24)

このような記事につられて、「レーザーバルーンで治療をお願いします!」とならないことを祈りたい。

良かったことと言えば、試しにgoogleで「アブレーション レーザーバルーン」と検索してみるといくつもの病院が引っかかってくるのだが、ほとんどの病院で「レーザーバルーンは良いですよ!」と言っているサイトがなかったので一安心した。

2.なぜレーザーバルーンは悪なのか

これに関しては非常に専門的な話にはなるのだが、どうやら多くのドクターにとって操作性面で扱いにくいという声をよく聞く。

細かい話は割愛するが、操作に慣れるまでに時間がかかるようである。

 

操作に慣れるまで大変
それでいて手術の成績はクライオバルーンや熱のカテーテルアブレーションより低い
うまくいかないから手術時間も早くない

 

ここまで聞いた上で、ぜひご検討いただきたい。

 

3.製造メーカーの人間も、良い製品だと感じていない

実際医療現場で、一部の営業担当者に話を聞いたことがあるが、本人たちもこの製品がこれからの心房細動治療をリードしていく!とはまったく感じていない。

外資系医療機器メーカーあるあるだが、米国や欧州本社が開発したものを日本支社は有無を言わさず営業をしなくてはならないため、それが良いかどうかは別なのである。

 

その医療機器が良いのか悪いのか、実は患者自身が調べる方法が存在する。

これさえ活用すれば医者も何も言い返すことができないのだが、それはまたのちほど解説したい。