心房細動の手術、4時間越えたら要注意!という話。
カテーテルアブレーションの手術時間はどれくらいかかるのだろうか。
ふと手術が決まった時に思うかも知れない。熱で焼くアブレーションを受ける人の多くが、おそらく2時間〜3時間程度です、と説明を受けると思われる。実際に手術の現場に立ち会いしていても、順調に行った場合はそれくらいが妥当だと思うし、一方でいまや心房細動治療でうまくいかないことのほうが珍しいため、それよりも時間がかかるということはあまり多くないと考えられる。
そしてもちろん手術時間は、心房細動による心臓の傷み具合や進行具合に左右される。
1.心房細動の種類
様々なサイトで説明があるため、ここで長々と解説する気はないので簡単にまとめてみる。
・発作性心房細動
定義:7日以内に心房細動が自然におさまる。
心臓の傷み具合としてはまだまだ初期の段階。この段階なら薬物治療を勧められる可能性が高い。
・持続性心房細動
定義:7日以上持続する心房細動。
だいたい1週間以上動悸が続くと、便宜上この部類にわけられる。
7日以上持続しているから心臓も危ないのか?と言われると、まったくそんなことはない。
・長期持続性心房細動
定義:1年以上持続する心房細動。
1年越えてくると、ちょっと治療も難しいかな~と医者も少なくない。
「難しい」というのは、手術中に心房細動がとまならない傾向にあったり、1,2ヶ月くらいですぐに再発する可能性もあったりするからだ。
また、それだけ長い間心臓が正常な動きをしていない
=心臓に負荷がかかりすぎている
=心臓の機能が悪くなってサイズが大きくなってしまう
=カテーテル操作も難しい
と推測されるからだ。
2.心房細動の手術時間
本題の手術時間であるが、googleで検索してみると「香川県立中央病院」では下記のように記載をしている(たまたまgoogleの提案で上にあがってきただけ)。
まさに現場でもこれくらいの感覚で、逆に5時間越えてくる手術というのは、「医者の腕(判断能力)に問題があるか」「本当に難しい不整脈」のどちらかである。
※ちなみにバルーン手術はもっと早いので割愛。
私が患者もしくはその家族だとしたら、発作性心房細動の手術と言われて手術時間が4時間を越えてきたら
「これは何か問題があったな」という感覚をもつ。
この当たりは医者への指摘ポイントだと思う(まともな返答があるかどうかは別の話)。
3.手術後で最も大事なこと
術後の経過良好は必須として、実はアブレーション後の外来などで、ドクターに必ず尋ねなくてはいけないことがある。その医者の力量や、手術の何がうまくいかなかったのかを詳しく推測することが可能であるのだが、このあたりは後ほど解説したい。