週刊心房細動

その病院でオペを受けて大丈夫ですか?

"医者が教えない"心房細動の治療方法

このブログをご覧になる人は、心房細動の治療方法についてのある程度の情報収集をした人が多いと思う。

 

念のため、改めて簡単に解説してみる。

 

1.薬物治療

心房細動のイメージとしては、こちらの画像のように心臓内(心房)のあちこちで異常な電気信号が発生している。

心房細動とは? | 心房細動ナビ | 日本ライフライン株式会社

 

そこで、心拍数を調整する「レートコントロール」や、心拍数が規則正しくなるようにする「リズムコントロール」を行なうのだが、これは対処療法であり、一時的に抑え込んでいるに過ぎないことが多い(動悸が気になって気になって仕方ないときには、すでに薬では抑えられないくらい進行していることも多い)。

 

このことから、薬物療法のメリットは「手術をしなくて良い」という身も蓋もない点である(薬飲んでるだけで治ることあるの?)。

 

2.外科的治療

とてもやっかいなのが、この「外科的治療」。またの名を「メイズ手術」。

この手術では心臓を止めて(または止めずに)、切り開いて、直接心臓を焼いていく。

 

なにがやっかいなのかというと、確かにメイズ手術による成功確率は80%や90%とも言われているが、高確率でその後別の不整脈が発生するのである(!)

 

そしてさらに、これはこの後紹介する「カテーテルアブレーション」の手術に立ち会ったときに何度も経験したが、メイズ手術(または別の外科的手術)後の複雑な不整脈の治療は困難を極めることも少なくないのである。

 

結果、人生において2度3度(4度!)とアブレーション手術を受け続けることになるのである。

 

「外科的手術でも心房細動を治せる!」という病院があるが、個人的には絶対におすすめしない(そもそも心房細動治療を目的に、第一に外科的手術をおすすめする医者は極めて少ないと思うが)。

 

3.カテーテルアブレーション

心房細動の治療はカテーテルアブレーション一択だと思う。

簡単に言えば、スティック状のカテーテルを用いて、心臓にやけどをつくることで異常な電気信号を食い止めることができる。

この分野に関しては、年々新しい手技や医療機器が登場しているため、10年前に比べると劇的に変化しているのである。またその成功率も100%に近い。

 

これは実際に手術に立ち会った経験からすると、ちょっと練習すれば私でもできそうなくらい(失礼!)、外科に比べれば遥かにとっつきやすい印象である。

それくらい手術の内容も確立され、多くの病院で同じような成功を期待できるようになってきた。

 

4.結論

薬を飲み続けて改善しないのであれば、まずは低侵襲であるカテーテルアブレーションを考えることをおすすめする。

医者によるが全身麻酔での治療であれば手術中の痛みを伴わないのだが、目が覚めた状態で手術をする医者もいるため、この点についてはよく見極めなければならない。

それ以外の点では、鼠径部にいくつか太めの針を刺すくらいの傷で、入院に数も2日前後で済むメリットも大きい。

 

問題は、「どこの病院で手術をするか」である。